通信制高校の無償化はどう変わる?2026年度からの拡充内容と支援金の最新情報


通信制高校の無償化はどこまで進んでいるのか?
2025年10月29日、自民・公明・日本維新の会の3党が高校授業料無償化の拡充に最終合意しました。
この合意によって、これまで支援対象が限られていた通信制高校の授業料負担が大幅に軽減される見通しです。
この記事では、「通信制高校の無償化」に関する最新の制度改定、支援金額の引き上げ、所得制限の撤廃方針、さらに制度を活用する上での注意点をわかりやすく解説します。
1. 通信制高校も対象となる「高等学校等就学支援金制度」
通信制高校の授業料を支援するのは、国の「高等学校等就学支援金制度」。
公立・私立・全日制・定時制・通信制を問わず、返還不要の給付金として授業料の一部が国から学校に支給されます。
2026年度からの制度拡充で、通信制高校もより広く支援を受けられるようになります。
2. 2025年10月合意のポイント:私立通信制にも本格的な無償化が拡大
3党の最終合意では、以下の3つの点が大きな変更点として示されました。
🔹 私立通信制の支給上限額を引き上げ
現在の年額29万7,000円 → 33万7,000円に増額。
授業料の平均額に近づく水準となり、家計の負担軽減が進みます。
🔹 広域通信制も対象へ
これまで対象外だった、複数の都道府県で生徒を募集する「広域通信制高校」も新たに無償化の対象になります。
通信制の中でも特に生徒数が多い分野のため、影響は非常に大きいとみられます。
🔹 実施時期
施行は2026年度から。
2025年度は準備期間として、所得制限の撤廃と支援額の段階的拡充が始まっています。
3. 所得制限の撤廃で「すべての家庭」が支援対象に
これまで通信制高校の支援は、世帯年収によって金額が大きく異なっていました。
しかし2025年度から段階的に所得制限が撤廃され、どの世帯でも支援を受けられる方向に進んでいます。
💰 公立通信制高校の場合
公立通信制高校では、授業料が年額11万8,800円に設定されています。
2025年度からは所得制限が撤廃され、すべての世帯が支援対象に。
結果として、実質的に授業料が無償化される形となります。
💰 私立通信制高校の場合(表なしバージョン)
私立通信制高校では、世帯の年収に応じて支援額が異なりますが、2026年度からはすべての世帯で支援が拡充されます。
まず、年収約590万円未満の家庭には、これまで年額29万7,000円が支給されていましたが、2026年度からは33万7,000円に引き上げられます。
授業料の平均額により近い金額となり、これまでよりも実質的な負担軽減が期待できます。
次に、年収590万円〜910万円未満の家庭については、従来は年11万8,800円しか支給されていませんでしたが、所得制限の撤廃により、33万7,000円まで支援が拡大されます。
中間所得層の家庭でも、これまで以上に通信制高校を選びやすくなるでしょう。
そして、年収910万円以上の家庭にも変化があります。
これまでは対象外でしたが、2025年度から年11万8,800円の支援が新たに適用されます。
これにより、ほぼすべての家庭が何らかの支援を受けられる体制に変わります。
つまり、2026年度からは「どの所得層でも支援を受けられる」仕組みに変わり、経済的な理由で通信制高校への進学をためらう必要がほとんどなくなるということです。
4. 外国籍生徒への扱いも整理
2026年度からは、留学生など一時滞在を目的とした生徒は支援対象外となります。
一方で、日本での定着を目指す外国籍の生徒は支援対象とされる見通しです。
国は「教育機会の平等」と「グローバル人材育成」の両立を目指し、別制度での支援も検討中です。
5. 注意点:授業料以外の費用は無償化の対象外
「通信制高校 無償化」といっても、すべての費用が無料になるわけではありません。
就学支援金の対象は「授業料」のみであり、
入学金・施設設備費・教材費・制服代・校外活動費などは自己負担となります。
また、通信制高校の中には「本校」と「サポート校」が分かれている学校もあります。
無償化の対象は文科省の認可を受けた“本校”のみであり、サポート校単独では支援を受けられません。
進学時には必ず「高等学校等就学支援金制度の対象校であるか」を確認しましょう。
6. 教育の質への議論と文科省の方針(2025年10月27日時点)
制度拡充に合わせて、通信制高校の教育の質についても議論が進んでいます。
文部科学省の有識者会議では、以下の点が課題として指摘されています。
- 面接指導回数の不足
- 無資格者による授業や添削
- 生徒へのサポート体制のばらつき
一方で、通信制高校は「不登校の生徒のセーフティーネット」としての役割も強く、
「規制強化だけでなく、支援と改善を両立すべき」という意見も出ています。
つまり今後は、“質の高い通信制教育”がより評価される時代になるということです。
7. 東京都など自治体の独自支援
国の制度に加え、自治体が独自に助成を行うケースも増えています。
たとえば東京都では、
都外認可校に通う生徒を対象に最大27万6,000円の助成を実施(国と都の支援合計)。
2025年度の申請期間は10月1日〜10月31日とされています。
今後は地方自治体ごとに制度が拡充される見込みで、地域によってはさらに負担軽減が進むでしょう。
8. 「無償化」で“安さ”ではなく“質”で選べる時代へ
これまで通信制高校を選ぶとき、多くの家庭が「学費の安さ」を最優先にしてきました。
しかし、2026年度からの無償化拡充で給付金が増額される今、経済的な制約から解放され、「どんな環境で学ぶか」という“質”の視点で学校を選べる時代が始まります。
授業料の負担が軽くなったことで、これまで選択肢に入りづらかった私立通信制高校や専門性の高いコースも現実的な選択肢になります。
学びの幅が広がる今こそ、「どの学校なら子どもの未来が伸びるか」を基準に選ぶことが大切です。
たとえば、
- 全日スクーリング型で生活リズムを整えながら学べる学校
- ロボティクス、メディアアートなど、社会で活きるスキルを育てる学校
- 大学進学率の高さや探究的な授業設計に力を入れている学校
といった、「学びの質」にこだわる通信制高校が注目を集めています。
無償化によって「どの学校を選ぶか」の自由度が高まる今、
“費用で選ぶ”時代から、“教育の質で選ぶ”時代へ。
それが、2026年度以降の新しい通信制高校の姿です。
9. クラークNEXT高等学校:学費の不安をなくし、学びの質を高める新しい通信制
クラークNEXT高等学校では、
「高等学校等就学支援金制度」の対象校として無償化制度が適用されます。
さらに、全日スクーリング型の学習スタイルで、
通学リズムを保ちながら専門分野を深く学ぶことが可能です。
- 🎯 大学進学率73.2%(2024年度実績)
- 🎮 eスポーツ・🤖ロボティクス・🎨メディアアートなど最先端の専門学習
- 🧭 W担任制による個別サポート
「無償化で通いやすく」「質の高い学びで未来につながる」通信制高校として注目を集めています。
まとめ:通信制高校の無償化で、学びのチャンスが広がる
通信制高校の無償化は、単なる「家計の支援」ではなく、
「子どもがもう一度学びに向き合う機会を守る制度」です。
経済的な理由で進学を諦める必要は、もうありません。
そして、制度を最大限に活かすためには、
「どんな学校で、どんな学び方をするか」を丁寧に選ぶことが何よりも大切です。
🔗 関連リンク
- 文部科学省:高等学校等就学支援金制度
- 東京都生活文化局:私立通信制高校授業料助成金