通信制高校の学費はいくら?2026年度の無償化拡充でどう変わるか徹底解説


1. 通信制高校の学費はどのくらい?
通信制高校の学費は、公立か私立か、そしてサポート校を利用するかによって大きく異なります。
また、通信制高校は「単位制」であるため、履修する単位数によって授業料が変わります。
まずはおおよその目安を把握しておきましょう。
公立通信制高校の場合
年間の学費は数万円程度で、3年間通っても10万円以内におさまるケースがほとんどです。
授業料は1単位あたり約300〜1000円と安く、国の就学支援金を活用すればほぼ無償で通える場合もあります。
私立通信制高校の場合
年間でおよそ20万円〜215万円程度と、学校やコース内容によって幅があります。
費用に差が出る理由は、サポート体制や専門学習の有無にあります。
たとえば、全日登校でサポートが充実した学校や、eスポーツ・IT・美容などの専門分野を学ぶコースは費用が高くなる傾向があります。
2. 公立と私立の違いを整理して理解する
公立通信制高校は、地方自治体が運営しており授業料が非常に安価です。
レポート提出やスクーリング日が指定されているなど、自学自習中心の学び方が特徴です。
一方で、学習サポートや進路指導が少なく、卒業までに時間がかかる場合もあります。
私立通信制高校は、費用がかかる代わりに次のようなメリットがあります。
- 個別サポートが充実している
- 登校日数や学び方を自分で選べる
- 進路・メンタル・学習面での支援が手厚い
- 専門分野を学べる(eスポーツ・芸術・デザイン・美容など)
実際に通信制高校に通う生徒の約8割が私立を選択しています。
これは「学費以上の安心感と環境」があるためです。
3. 2026年度から通信制高校の学費はどう変わる?
2025年10月、自民・公明・日本維新の会の3党が高校授業料無償化拡充の最終合意を発表しました。
これにより、2026年度から通信制高校の授業料支援が大幅に拡充されます。
ポイントは3つです。
1️⃣ 私立通信制高校の支援上限が33万7,000円に引き上げ
従来の29万7,000円から上限が引き上げられ、より多くの学校で授業料の大部分が補助対象になります。
2️⃣ 広域通信制高校も新たに支援対象に追加
複数都道府県で生徒を募集する学校(全国に多数)も無償化の対象になります。
3️⃣ 所得制限の撤廃
これまで年収910万円以上の家庭は対象外でしたが、2025年度以降はすべての家庭で一定額の支援が受けられます。
この制度拡充により、これまで「費用の負担が大きくて私立は難しい」と感じていた家庭でも、
実質的に通いやすくなる環境が整っていきます。
4. 授業料以外にかかる費用
無償化制度の対象は授業料のみであり、次のような費用は自己負担になります。
- 入学金
- 教材費・施設設備費
- 制服・実習・課外活動費
- タブレット・通信機器費用
- (サポート校利用時の)サポート校費
これらの費用は学校によって異なりますが、私立では年間10万〜30万円前後になるケースが多いです。
そのため、授業料だけでなく「総額」で比較することが重要です。
5. 学費を抑えるための支援制度
通信制高校の学費は、支援制度を活用すれば大きく軽減できます。
高等学校等就学支援金(国の制度)
授業料を軽減する国の返還不要の支援金で、年収910万円未満の家庭が対象です。
2026年度からは支援上限が33万7,000円に引き上げられ、ほとんどの世帯が恩恵を受けられるようになります。
地方自治体の独自支援
東京都では、都内在住で都外認可の通信制高校に通う生徒にも最大27万6,000円の助成を行っています。
大阪府や千葉県でも独自の上乗せ支援制度があります。
奨学金・特待制度
成績や家庭の事情に応じて、授業料以外の費用を支援する奨学金制度も利用可能です。
特に「高校生等奨学給付金」は返済不要で、教材費や修学旅行費などに使えます。
6. 「安さ」ではなく「費用対効果」で選ぶ時代に
2026年度からの無償化によって、「学費の安さ」よりも「どんな教育が受けられるか」で学校を選ぶ時代になります。
授業料の負担が軽くなれば、
- 全日登校で生活リズムを整えたい
- ロボティクスやデザインなど、興味を深めたい
- 大学進学を目指したい
といった希望を軸に選べるようになります。
7. クラークNEXT高等学校の学費と費用対効果
クラークNEXT高等学校は、通信制高校でありながら全日スクーリング型を採用しています。
年間学費は118万円(教材費・施設費含む)ですが、国の就学支援金で最大29.7万円が支給され、実質約88万円の負担になります。
さらに、
- 外部予備校に通う必要がなく、校内で大学受験指導を受けられる
- クラーク予備校の難関大学進学クラスを教材費2.4万円で受講可能
- 大学進学率73.2%(全国通信制平均約26%)
- eスポーツ・ロボティクス・メディアアートなど最先端分野を学べる
といった特徴から、「学費以上の価値がある学校」として選ばれています。
8. まとめ|通信制高校は“安さ”ではなく“学びの質”で選ぶ
通信制高校を選ぶ際は、「いくらかかるか」だけでなく、その学費で何を得られるかを考えることが大切です。
- 公立は安く、就学支援金を使えばほぼ無償に近い
- 私立は費用がかかるが、サポート・進学実績・専門教育が充実
- 2026年度からの無償化で、私立も通いやすくなる
学費は「負担」ではなく「投資」。
自分に合った環境で学ぶことが、未来の選択肢を広げる第一歩です。
🔗 関連リンク
- 文部科学省:高等学校等就学支援金制度