【クラーク宇宙の日2025】卒業生・原航陽さんが水素エネルギーロケット制作ワークショップを実施!〜京都キャンパス企画レポート〜
11月10日(月)、京都キャンパスでは「クラーク宇宙の日2025」の午後プログラムとして、福岡中央キャンパス(連携校 東京国際ビジネスカレッジ福岡校 高等課程)の卒業生・原 航陽さん(現・室蘭工業大学 2年生)による「水素エネルギーロケット制作ワークショップ」が開催されました。
原さんが企画したこのワークショップは、「室内で飛ばせる簡易ロケットの設計・実験・競技」を通じて、科学的探究力・工学的判断力・チームでの問題解決力を育むことを目的とした探究プログラムです。


原さんの探究の歩みを語るトークイベント
ワークショップに先立ち、原さん自身のここまでの歩みを語る「Koyoトーク」が行われました。
幼少期から、3Dプリンターでロケットの部品を作ったり、自作のロケットを飛ばしたりと、宇宙やロケットが大好きだった原さん。中学校時代、学校に行けなくなった時に「本気で宇宙を目指そう」と決意し、クラーク国際に入学。入学して間もなく発足した宇宙探究部®に入部し、人工衛星Clark sat-1「AMBITIOUS」の開発プロジェクトや、広報誌「SPARK」の制作など、精力的に活動しました。


原さん「でも、入学当初は通信制で本当に授業の質や量が確保できるのかという不安もあって、このまま宇宙探究部®を続けるのか、それとも辞めて勉強に集中した方がいいのかをずっと悩んでいました。 でも、いろいろ考える中で、こんな経験をできる高校は日本中探してもどこにもない、この貴重な経験こそが自分の強みになるんじゃないかと思い直しました。
結果、宇宙探究部®での経験を認めていただいて、行きたかった大学に総合型という形で進学できましたし、今年の3月には、僕の活動を知ったAppleの方に声をかけてもらい、『Today at Apple』というイベントに登壇して、そこでなんと元宇宙飛行士の野口 聡一さんと対談することができました。」

原さん「ここまで、たくさん悩みながらも一貫性をもってやってきたことには意味があったなと思っていて、みんなもそれぞれやりたいことがあるなら、好きなことをぜひ貫いてほしいなという思いがあって。 自分の想いに正直に、頑張ってほしいなと思います。」
シュミレーターを使った実践的な探究体験
その後、ロケット制作ワークショップが始まりました。
ここでは、原さんが実際に開発したシュミレーターを使ってロケット本体の重心と空力中心(ロケットが飛んでいる時に、風の力を受けて安定する点)との位置関係を計測、ロケットが綺麗に飛ぶ条件を理解した上で制作にかかります。

原さん「ロケットには綺麗に飛ぶ条件があります。それはこのロケットの重心と空力中心のバランスなんですけど、この空力中心が重心よりも下にないといけないというルールがあって。これはその位置関係をシミュレートするためのアプリケーションです。 これを使えば、理論上は綺麗にロケットが飛ぶはずです!」
チームで協力して、ロケット打ち上げに挑戦!
ロケット制作は学年ごとにチームに分かれて実施。シュミレーターで最適な胴体の長さを計測したあと、画用紙で自由に設計した羽根を組み合わせて制作しました。完成したら、校舎2階の発射場へ移動します。


打ち上げは生徒たち自身が手回し発電機を一生懸命回して水を電気分解し、水素を生成。みんなで頑張らないと飛ばない仕組みで、チームワークが試されました。水素が十分に溜まったら、点火ボタンを押してロケットを発射します。
いくつかのチームが打ち上げに成功し、最高は5.95メートルを記録。遠くまで飛ぶロケットもあれば、予想外の方向に飛んでいくロケットもあり、失敗から学ぶ貴重な体験となりました。
飛ばなかったチームも、原さんや他のチームのノウハウを聞きながら、何度も挑戦する姿が見られました。




好きなことを貫いて、挑戦してほしい
ワークショップの最後に原さんから、在校生に向けてメッセージが送られました。
原さん「少しでも自分が興味を持ったことを調べてみたり、好きなことがある人はそれを貫いて、まだ見つかっていない人は何かちょっとでも挑戦してみたり、自分なりのきっかけを作ってくれると嬉しいです。
僕は来年2月にモンゴルの子どもたちに向けて、このシミュレーターをさらに進化させたイベントを開く予定です。もし宇宙教育に興味がある人がいたら、ぜひ声をかけてください!」
自身が高校時代に得た学びを、今度は後輩たちに繋げたいという原さんの想いで実現した今回のワークショップ。グローバルに活動する原さんの姿に、生徒たちも大きな刺激を受けた様子でした。
貴重な学びの機会を提供してくださった原さん、ありがとうございました。

宇宙教育プロジェクト
2021年に始まった宇宙教育プロジェクト。宇宙をテーマにしたクラーク独自の探究学習プログラムを作る目標を掲げ、生徒が実際に宇宙に触れる機会を創出すべく、生徒主体の人工衛星の企画・運用プロジェクトに始まり、現在も様々なプロジェクトが進行中です。