学習心理カウンセラーの教員が実践。生徒の不安や思いを形にするには?

クラーク記念国際高等学校 横浜キャンパスでは、高校3年生を対象に、自分の思いや気持ちを言葉で表現する授業「言葉で表現してみよう」を実施しています。
横浜キャンパスで、これからの高校生活を思い描いてみませんか。
短歌・川柳・都々逸・自由詩・英語詩という5つの表現方法に挑戦しながら、自分の思いを掘り下げ、伝えたいことに合った言葉を選ぶことを目指しました。
この記事のポイント
- 高校3年生を対象に、自分の思いや気持ちを言葉にする授業「言葉で表現してみよう」を実施しています。
- 題材集めから掘り下げ、5つの表現方法での試作、音読と推敲、振り返りへと進みます。
- 架空の人物や出来事を題材にしてもよく、無理に自身の気持ちを表現する必要はありません。
卒業を前に、自分の思いを言葉にする時間
高校生活の集大成となる高校3年生。卒業後の進路への期待や不安、友人との思い出、学校生活で感じたこと、これから始まる新しい生活への気持ちなど、生徒一人ひとりの心の中には、さまざまな思いがあります。しかし、感じていることがあっても、それをすぐに言葉にできるとは限りません。
自分のペースで、言葉と向き合う
授業で大切にしているのは、上手な作品をつくることだけではありません。自分が何を感じ、何を伝えたいのかを考え、自分なりの言葉で表現することです。
正解はありません。架空の人物や出来事を題材にしてもよく、無理に気持ちを表現する必要もありません。それぞれの生徒が、自分のペースで言葉と向き合います。
作品の出発点となる「言葉のタネ」を集める
最初の活動では、最近心に残った出来事や、何度も思い出すこと、気になっていることなど、作品の題材となる「言葉のタネ」を集めます。卒業後の進路、友人との会話、学校生活の思い出、好きなものや趣味、まだ言葉にできていない気持ち、未来への希望など、身近なテーマから考え始めます。
次に、選んだ題材について、「そのとき何が起きたのか」「どんな気持ちだったのか」「なぜそう感じたのか」「本当は何を願っているのか」を掘り下げていきます。出来事を振り返るだけでなく、そのときの自分の気持ちや大切にしていることにも目を向けることで、作品の中心となる一文を見つけていきます。
同じ題材を、5つの表現方法で伝えてみる
続いて挑戦するのが、同じ題材を異なる表現方法で表してみる活動です。
五・七・五・七・七のリズムを意識する短歌、日常の発見や本音を少し意外な形で表す川柳、七・七・七・五のリズムで気持ちを伝える都々逸、改行や繰り返しを自由に使える自由詩、そして知っている英単語や短いフレーズを使う英語詩。それぞれの形式の特徴を生かしながら、同じ思いでも言葉の選び方によって伝わり方が変わることを体験します。
声に出して読み、推敲で表現を磨く
作品をつくった後は、声に出して読み、初稿を推敲します。「一番伝えたい気持ちが見えるか」「具体的な情景や音、動きがあるか」「なくても伝わる言葉はないか」などの視点から、自分の表現を見直します。言葉を入れ替えたり、リズムを整えたり、あえて余白を残したりしながら、より自分の気持ちに近い表現を探していきます。
推敲は、誤字を直すだけの作業ではありません。伝えたいことに立ち戻り、どの言葉を残し、どこを変えるのかを考える時間でもあります。最初の言葉で完成とせず、読み返して工夫することが、相手への伝わり方を考える練習になります。
完成した作品と、そこまでの過程を振り返る
最後は、完成した作品だけでなく、作品に込めた意図や推敲した理由、活動を通して気づいたことも振り返ります。書く前と書いた後で自分の気持ちや題材の見え方に変化があったか、次に挑戦したいことは何か。作品を完成させるまでの過程そのものを、自分自身の学びとして捉えます。
自分を理解し、相手に伝わる言葉を考える力へ
この授業を通して育てたいのは、自分の思いや考えを見つける力、自分なりの言葉で表現する力、伝えたいことに合わせて言葉を選び工夫する力、そして相手に伝わる表現を考える力です。自分の気持ちを言語化することは、自分自身を理解することにもつながります。
また、同じ出来事でも感じ方や表現の仕方は人によって異なります。言葉を選ぶ経験は、自分と他者の違いを知り、相手に伝わるコミュニケーションを考えるきっかけにもなります。
高校生活の終わりが近づく今だからこそ、立ち止まって自分の思いを見つめ、言葉にしてみる。クラーク記念国際高等学校 横浜キャンパスでは、生徒一人ひとりが自分らしい表現を見つけ、これからの人生につながる力を育めるよう、日々の授業を工夫しています。
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