キャンパス長コラム「保護者の皆さまへ① ~動き出せない子どもの心の中~」
このコラムでは、約20年間、通信制高校教員として不登校や発達特性のある子どもたち、そして保護者の皆さまと向き合ってきた経験をもとに、子育てや進路、教育について感じていることをお伝えしていきます。少しでも皆さまの安心やヒントにつながれば幸いです。
不登校のお子さまを持つ保護者の方の多くは、「このまま学校に行かなくなるのではないか」「将来、社会に出ていくことができるのだろうか」など、さまざまな不安を抱えていらっしゃることと思います。親の心子知らずという言葉がありますが、我が子ながら何を考えているのか分からず、心配になることもあるのではないでしょうか。
私自身も中学生の頃に不登校を経験し、両親にたくさんの心配をかけました。その経験と、これまで出会ってきた多くの生徒たちの姿から感じていることがあります。
それは、不登校の子どもたちは決して「このままで良い」と思っているわけではないということです。「何とかしたい」という気持ちはある。でも、その一歩を踏み出すだけのエネルギーが残っていない。私には、そんな状態の子どもたちがたくさんいるように見えます。
だからこそ、周囲からは何も考えていないように見えても、子どもたちなりに葛藤し、悩み、もがいていることを知っていただけたらと思います。そして、私はこれまで多くの子どもたちを見てきましたが、ずっとそのままだった子は一人もいませんでした。
動き出す時期は人それぞれです。
数週間後かもしれませんし、数か月後、あるいは数年後かもしれません。しかし、必ず「何かを変えたい」「一歩踏み出してみようかな」と思うタイミングが訪れます。
その一歩はとても小さなものかもしれません。
それでも、その時が来たら、ぜひ保護者の皆さまにはそっと背中を押してあげてほしいのです。
中学生であれば、そのきっかけの一つが高校進学です。
「高校なら行ってみようかな」
そんな言葉が出てきた時に、子どもたちが選択できるよう、保護者の皆さまにもぜひ様々な情報に触れておいていただければと思います。
これからこのコラムでは、不登校中の関わり方や、ゲームばかりしている理由、高校選びのポイント、保護者としての向き合い方など、様々なテーマについてお話ししていきます。
今この瞬間も悩んでいる保護者の皆さまに、「一人ではない」ということが少しでも伝われば嬉しく思います。
不定期更新とはなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
「キャンパス長プロフィール」
自身の不登校経験を踏まえ、約20年間、広域通信制高校の教員として様々な子どもたちの支援に取り組む。専門は歴史教育、特別支援教育など。学校だけでなく、地域や様々な専門機関との連携を大切にしながら、一人ひとりの得意・不得意を認め合い、それぞれが力を発揮できる学校づくりを目指して日々奮闘中。 現在、クラーク記念国際高等学校 横浜青葉キャンパス長。