キャンパス長コラム「保護者の皆さまへ② ~ゲームばかりしているのはなぜ?~」
このコラムでは、約20年間、通信制高校教員として不登校や発達特性のある子どもたち、そして保護者の皆さまと向き合ってきた経験をもとに、子育てや進路、教育について感じていることをお伝えしていきます。少しでも皆さまの安心やヒントにつながれば幸いです。
✅ 不登校の子どもがゲームばかりする理由
✅ ゲームが子どもの心を守る時間になることがある理由
✅ 「勉強しなくて大丈夫?」が苦しくなる場合があること
✅ 保護者が焦らず見守るための考え方
学校になかなか足が向かない状況になると、
「学校には行けていないのだから、せめて家では勉強してほしい」
「学習の遅れが心配」
そんな声を保護者の皆さまからよく伺います。私自身も不登校だった頃、父や祖母から「勉強しなくても大丈夫なのか?」と何度も言われていました。
そんな私が毎日のようにしていたのはゲームでした。
TVゲームを中心に、様々なゲームで日々を過ごしていました。
もちろん純粋にゲームが楽しかったこともあります。
しかし今振り返ると、ゲームをしている時間は「学校のこと」や「学校に行けない自分のこと」を考えなくても済む時間だったように思います。
学校という環境に足が向かなくなり、家だけが安心できる場所になっていた頃。私にとってゲームは単なる遊びではなく、自分の心を守るための時間でもありました。だからこそ、不登校の渦中にいる子どもたちの中には、「勉強」に向き合う段階ではない場合があります。
勉強そのものが悪いわけではありません。
しかし、学校とのつながりを強く感じさせる「勉強」という言葉が、今はまだ苦しく感じられる時期もあるのです。
そんな時に、
「勉強しなくて大丈夫なの?」「このままでいいの?」
と声をかけられると、本人は余計に追い詰められてしまうことがあります。
もちろん、保護者の皆さまが心配になるのは当然のことです。
私も多くの保護者の方とお話をしてきましたが、「見守ることが一番難しい」と感じている方は少なくありません。
だからこそ、保護者の皆さま自身も一人で抱え込まず、第三者に今の気持ちを話してみてください。
そして私はこれまで多くの子どもたちと出会ってきましたが、多くの場合、本人が「そろそろ何か始めてみようかな」と思うタイミングが訪れます。
その時期は人それぞれです。
焦らず、しかし一人で抱え込まずに見守っていただけたらと思います。
次回は「親だからこそ頑張りすぎなくてもよい」をテーマにお届けしたいと思います。
「キャンパス長プロフィール」
自身の不登校経験を踏まえ、約20年間、広域通信制高校の教員として様々な子どもたちの支援に取り組む。専門は歴史教育、特別支援教育など。学校だけでなく、地域や様々な専門機関との連携を大切にしながら、一人ひとりの得意・不得意を認め合い、それぞれが力を発揮できる学校づくりを目指して日々奮闘中。 現在、クラーク記念国際高等学校 横浜青葉キャンパス長。