壱岐島での探究留学『生きていく力を探しに』をレポート!
2025年11月3日(月)〜6日(木)の4日間、タイガーモブ株式会社と連携し、壱岐島を舞台とした探究留学「壱岐探究RPG『生きていく力を探しに』」を実施しました。
このプログラムは、壱岐で暮らす人々との出会いや自然とのふれあいの中で、自ら動きながら学びを深めていく“ロールプレイング型の探究学習”として行われ、参加した生徒14名は、自分自身の“生きる力”と向き合う4日間を過ごしました。


プログラムの特徴
現地では、チームごとに立てたアクションプランをもとに島をめぐり、壱岐で暮らす人々との対話やフィールドワークを通して、自分と向き合う時間が生まれました。生徒たちは、「いつもの自分」から一歩踏み出す体験を積み重ねていきました。
4日間の中では、地域を知るオリエンテーション、地域で挑戦する大人との対話、自然と向き合うフィールドワーク、一日を締めくくる振り返りワークショップなど、学びが次々と広がるプログラムが続きました。
宿泊先は、古民家を改装した「あたたかい第二のふるさと」と呼ばれる「みなとやゲストハウス」。地元の食材を使った食事や、宿の方々との気さくな交流を通して、生徒たちは壱岐の日常の温かさに触れることができました。


壱岐島とは
壱岐島(いきのしま)は、長崎県の北に位置する離島で、博多港から高速船で約1時間の距離にあります。青く透き通る海、美しい砂浜、歴史ある神社や遺跡など、自然と文化が豊かに残る島として知られています。また、温かい人柄とゆったりとした暮らしのリズムも魅力のひとつで、訪れる人をやさしく迎えてくれます。
島の規模は大きすぎず、小さすぎず、歩いても自転車でもめぐれるほど。そんなコンパクトな環境だからこそ、人との距離が近く、地域で挑戦する大人たちの姿を間近で感じられる場所です。


地域おこし協力隊・下條さんとの対話
現地での出会いのひとつが、壱岐市地域おこし協力隊(情報発信担当)の下條さんでした。
下條さんは、祖父母が壱岐市勝本町の生まれで、幼い頃から夏休みのたびに島を訪れていたそうです。高校生の頃から「いつか壱岐に住みたい」と思い続け、2024年6月に移住を実現しました。
前職は小学校教諭。安定した職を離れて挑戦した理由について、生徒から「新しいことに挑戦するときに迷いはなかったのか」と質問が出ました。
下條さんは、「怖くないわけではありません。でも、まずやってみることが大事。大きな決断が一つできれば、人は前に進めます」と答えました。
続いて「挑戦するために必要なこと」についても質問があり、下條さんは「できること・できないことを書き出して自分を知ること。強みも弱みも理解することが、挑戦の第一歩です」と話してくれました。
生徒たちは真剣に耳を傾け、自分の気持ちや将来について考える時間となりました。


壁画アーティストとの出会い
続いて、生徒たちは壱岐で活動する壁画アーティストから話を聞きました。
作品タイトルには「つながる信頼」「平和をめざして」など、人とのつながりを表す言葉が並び、アーティストは壱岐の人々や街の空気、人と人との関わりの温度を作品に込めていると語ってくれました。
「人と人がつながることで街は変わる。作品は、その“温度”を残すための手段なんです」
地域と芸術が結びつく過程を知り、生徒たちは表現が持つ意味についてあらためて考える時間となりました。


振り返りワークショップ
夕食後には、島での学びを言葉にする振り返りの時間が設けられました。
生徒たちは付箋に「今日の忘れたくないこと」「なぜそれが大事なのか」「この旅で見えた仲間の良いところ」を書き出し、互いに共有しました。
仲間から、自分では気づいていなかった良いところを伝えられ、「自分を肯定できた」と話す生徒もおり、一つひとつの言葉を丁寧に受け止める様子が見られました。


生徒の声
広島キャンパス 井上さん(2年)
島の人々との対話を通して、前向きに行動することの大切さを実感しました。どんなこともまずはやってみる姿勢を大事にしたいと思います。日常に戻ってからも、この学びを実践していきたいです。
東京キャンパス 淺川さん(2年)
全国のクラーク生とつながり、キャンパスを超えて仲間ができたことが嬉しかったです。普段は自分と向き合う時間があまりないので、この探究留学でじっくり考える機会を持てたことに感謝しています。参加して本当によかったです。


壱岐でのフィールドワークは、ただ地域を見る旅ではなく、大人の挑戦に触れ、自分の未来を考えるロールプレイング型探究学習そのものでした。
透き通る海、豊かな自然、温かい人々。壱岐の魅力に包まれながら、生徒たちは自分の興味・価値観・将来について深く向き合うことができました。
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