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キャンパス長コラム「保護者の皆さまへ⑤ ~人間関係はジグソーパズル ~友達の数より大切にしたいこと~」

このコラムでは、約20年間、通信制高校教員として不登校や発達特性のある子どもたち、そして保護者の皆さまと向き合ってきた経験をもとに、子育てや進路、教育について感じていることをお伝えしていきます。少しでも皆さまの安心やヒントにつながれば幸いです。


この記事で分かること

✅ 友達は多ければ多いほど良いのでしょうか。「友達の数」と「人と関わる力」の違いについて考えます。

✅人それぞれの得意・不得意をジグソーパズルの凸凹に例え、自分と相手の違いを認めながら人間関係を築くヒントをお伝えします。


「♪友達100人できるかな♪」というフレーズを、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

幼稚園や保育園から小学校へ。新しい環境に踏み出す子どもたちに、「これからもっと楽しい生活が待っているよ」という期待を込めた歌だったように記憶しています。

一方で、私たちは知らず知らずのうちに、「友達は多い方がいい」「みんなと仲良くできる方がいい」という価値観を、子どもたちに伝えてはいないでしょうか。

正直にお伝えすると、私自身、「友達」と呼べる人はそれほど多くありません。

休みの日に一緒に出かけたり、悩みを相談したり、何でもない話をしたりする相手を「友達」とするなら、数人程度です。

ただ、日常の中で関わる人はたくさんいます。仕事で関わる人、近所で会えば話をする人など、私たちは「友達」だけではなく、さまざまな距離感で多くの人と関わりながら生活しています。

この仕事をしていると、

「友達ができるか不安です」
「たくさんの人と仲良くならないといけませんか」

といった声を、子どもたちから聞くことがあります。

そんなとき、私はこう考えています。

無理をして、たくさんの人と友達になろうとしなくても大丈夫。

ただ、学校や社会では、友達ではない人とも関わる場面があります。必要なときに話したり、協力したり、お互いにちょうどよい距離を考えたりする力は、少しずつ身につけてほしいと思っています。

そこで、私が子どもたちに伝えてきたのが、

「人間関係はジグソーパズルのようなもの」

という考え方です。

ジグソーパズルのピースには凸凹があります。

凸を、自分の得意なことや自信を持っているところ。凹を、自分の苦手なことや誰かの力を借りたいところだと考えてみます。

まず、自分にはどんな凸凹があるのかを知る。そして、相手にも自分とは違った凸凹があることを知る。

凸が「良いところ」、凹が「悪いところ」というわけではありません。それぞれが持っている、その人らしい形の違いなのだと思います。

自分が得意なところでは誰かを助け、自分が苦手なところでは誰かの力を借りる。互いの違いを認めながら、支え合える関係をつくっていけたらと思っています。

そして、ジグソーパズルには、隣り合わないピースもたくさんあります。

人間関係も同じです。

すべての人と親しい友達になる必要はありませんし、「この人とは少し合わないな」と感じることも自然なことです。

そんなときは、無理に自分を相手に合わせるのではなく、相手の話を聞いたり、自分の気持ちを伝えたり、ときには少し距離を取ったりしながら、お互いに心地よい関わり方を探していけばよいのだと思います。

社会に出れば、考え方の違う人と一緒に仕事をすることもあります。

そんなとき、「友達になれるか」ではなく、

「この人とは、どんなふうに関わればよいだろう」

と考えられる力は、きっと自分自身を助けてくれるはずです。

友達の数を増やすことよりも、自分と相手の違いを認めながら、人とのちょうどよい関わり方を見つけていくこと。

そんな「ジグソーパズルのような人間関係」を、子どもたちにも大切にしてほしいと願っています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。 次回は、「『できないこと』より『できること』」をテーマにお届けします。


「キャンパス長プロフィール」

自身の不登校経験を踏まえ、約20年間、広域通信制高校の教員として様々な子どもたちの支援に取り組む。専門は歴史教育、特別支援教育など。学校だけでなく、地域や様々な専門機関との連携を大切にしながら、一人ひとりの得意・不得意を認め合い、それぞれが力を発揮できる学校づくりを目指して日々奮闘中。 現在、クラーク記念国際高等学校 横浜青葉キャンパス長。

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