キャンパス長コラム「保護者の皆さまへ③ ~親だからこそ、頑張りすぎなくても良い~」
このコラムでは、約20年間、通信制高校教員として不登校や発達特性のある子どもたち、そして保護者の皆さまと向き合ってきた経験をもとに、子育てや進路、教育について感じていることをお伝えしていきます。少しでも皆さまの安心やヒントにつながれば幸いです。
✅ 子どもの不登校や学校生活に悩む保護者の皆さまへ、親だからこそ頑張りすぎてしまう気持ちとの向き合い方についてお伝えします。
✅保護者自身の心のゆとりが子どもの安心につながることや、学校とともに歩む子育ての大切さをご紹介します。
長年、通信制高校の教員として、多くの子どもたちや保護者の皆さまと向き合ってきました。
学校になかなか足が向かない子どもたちはもちろん、その姿を見守る保護者の皆さまもまた、同じように苦しみや不安を抱えておられることを感じます。
「もっと早く気づいていればよかった。」「私の育て方が悪かったのでしょうか。」「親として何をしたらよいか分からない。」
そんな言葉を耳にするたびに、保護者の皆さまがどれほど悩み、子どものことを考えておられるのかが伝わってきます。
どの保護者にも共通していることがあります。
それは、『誰よりも子どものことを思っている』ということです。
だからこそ、目の前で苦しんでいる子どもを見ると、「何とかしてあげたい」「元気になってほしい」と、一生懸命頑張ってしまうものです。
ですが、その頑張りが、かえって保護者自身を追い詰めてしまうことがあります。そして、その苦しい思いは子どもたちにも伝わります。子どもたちはとても敏感です。保護者の不安や焦りを感じ取り、家庭の中で悪循環になってしまう場面を、私はこれまで何度も見てきました。
そんな場面で、私は保護者の皆さまに必ずお伝えしていることがあります。
「少しだけお子さまと距離を取って、ご自身を癒す時間をつくってみませんか。」
「気晴らしに出かけたり、自分の好きなことをしたりする日があっても良いのではないでしょうか。」
子どもは、保護者が思っている以上に、自分なりに物事を考えながら前に進もうとしているものです。
保護者自身の心に少し余裕が生まれることで、家庭にも穏やかな空気が戻り、その安心感が子どもたちにも伝わっていきます。
私自身が不登校の時、母は昼間はパートに出ていて、物理的に距離が離れる時間がありました。当時はその意味を深く考えていませんでしたが、今振り返ると、あの時間がお互いにとって心地よい距離感だったのかもしれません。
もちろん、片時も目を離せない状況であれば別です。ですが、そうでなければ、少し物理的な距離を取り、保護者自身が心のゆとりを持つ時間をつくることも、大切なことではないでしょうか。
親だからこそ頑張りすぎてしまう。でも、頑張り続けることだけが子どもへの愛情ではないと私は思います。
時には周りに頼ることも、少し肩の力を抜くことも、子育ての一つの方法です。
学校でのお子さまのことは、どうぞ私たち教職員にお任せください。
そして私自身も、保護者の皆さまの支えになれるよう願いながら、日々キャンパス運営に取り組んでいます。
保護者の皆さまも、お子さまと同じように大切な存在です。
子どもだけでなく、保護者の皆さまの伴走者でもありたい。そのような思いを胸に、これからも皆さまと歩んでいきたいと思います。
次回は、「『好き』は子どもの未来をつくる」をテーマにお届けしたいと思います。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「キャンパス長プロフィール」
自身の不登校経験を踏まえ、約20年間、広域通信制高校の教員として様々な子どもたちの支援に取り組む。専門は歴史教育、特別支援教育など。学校だけでなく、地域や様々な専門機関との連携を大切にしながら、一人ひとりの得意・不得意を認め合い、それぞれが力を発揮できる学校づくりを目指して日々奮闘中。 現在、クラーク記念国際高等学校 横浜青葉キャンパス長。