学校に行けていない子どもに「勉強しなさい」と言っていい?

不登校の子どもに「勉強しなさい」と伝える前に、まずは本人が何なら始められそうかを一緒に整理することが大切です。学習の遅れが気になっていても、すべてを一度に取り戻す必要はありません。家庭での声かけを工夫しながら、入学後にどこから学び直せるかという視点で高校を選ぶ方法を紹介します。
この記事でわかること(30秒で要点)
- 「勉強しなさい」と急ぐ前に、分かるところや取り組みやすい方法を探すことが出発点になります。
- 家庭では、保護者が一人で先生役を担うのではなく、学び方を一緒に小さく整理することも一つの方法です。
- 高校選びでは、入学時の学力だけでなく、中学校の内容から学び直せる環境があるかを見ましょう。
クラーク国際では、全教員が学習心理カウンセラーの資格を取得し、学習面だけでなく、生徒一人ひとりの学校生活や成長を支えるための知識を身につけています。
「学校へ行かせるにはどうすればいいか」だけではなく、今、その子が何に困っているのか。そして次の一歩をどう一緒に考えていくのか。
学校現場で日々生徒と関わる立場から、保護者の皆さまと一緒に考えていきます。
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「勉強しなさい」と言う前に、始められることを一緒に整理する
「勉強しなさい」と伝えることが、常に間違いというわけではありません。ただし、本人が何に困っているのかが整理できていない状態では、その言葉が負担になることもあります。
学習の遅れに向き合うときは、「休んだ期間の分を全部取り戻す」と考えるよりも、「どこからなら分かるか」「どんな方法なら取り組めそうか」を探すことが大切です。
ここでいう学習の現在地とは、今できること、苦手に感じること、始めやすい教科や学び方を具体的に整理した状態を指します。現在地が見えてくると、次に取り組むことを小さく決めやすくなります。
- 「今日は勉強した?」ではなく、「何ならできそう?」と聞いてみる
- 30分が難しい場合は、10分や問題1問から考える
- 今の学年の内容にこだわらず、分かる単元まで戻る
- 教科ごとに、できることと苦手なことを分けて考える
不登校の中学生の74%が「勉強の遅れ」を不安に感じている
まず知っておいてほしいデータがあります。文部科学省が不登校を経験した中学生1,303人を対象に行った調査では、学校を休んでいる間について、
74%が「勉強の遅れに対する不安があった」と回答しています。
さらに、69%が「進路・進学に対する不安があった」と回答しました。
一方で、「ほっとした・楽な気持ちだった」と回答した中学生も69%いました。
つまり、「学校を休めて少し楽になった」と「でも、勉強や進路は心配」という気持ちは、同時に存在することがあります。
勉強の遅れが「やりたくない」につながることがあります
学校を休んでいる期間が続くと、勉強そのものが嫌いになったように見えることがあるかもしれません。しかし実際には、「どこから分からなくなったのか自分でも分からない」「取り組んでも解けない」といった困りごとが背景にある場合もあります。
例えば、中学3年生が数学を学び直す場合でも、必ずしも中学3年生の単元から始める必要はありません。計算や比例・反比例など、それまでに学んだ内容につまずきがあるなら、理解できるところまで戻ることが次の学習につながります。
また、教科によって感じ方が異なることもあります。数学は基礎から取り組みたい一方で、国語は今の内容を読める、社会は興味のあるテーマなら学べるということもあります。一律に「勉強する・しない」で捉えず、教科や方法を分けて考える視点が役立ちます。
- 今の学年の問題が難しく感じる
- どの単元から苦手なのか整理しにくい
- 解けない経験が続き、机に向かうことを避けたくなる
- 高校進学やその先の進路を考えるほど不安が大きくなる
家庭では、保護者が一人で学習を支えようとしすぎない
学習や受験が気になると、「今日は何ページ進んだ?」「進路はどうするの?」と聞きたくなることがあります。一方で、親子だからこそ勉強の話題が負担になったり、会話がすれ違ったりする場合もあります。
家庭でできることは、保護者が先生役を担うことだけではありません。本人が取り組めそうなことを一緒に小さく考え、必要に応じて学校や学習支援につなぐことも選択肢です。
心身の不調や生活への大きな支障が続く場合は、学習だけを急ぐのではなく、現在通っている中学校や専門機関などへの相談も含めて、本人に合う支援を検討してください。
- できていないことだけを数えない
- 始められた時間や取り組めた内容を具体的に受け止める
- 勉強の進め方を親子だけで抱え込まない
- 進学先を選ぶ際は、学習面について話せる機会があるかも見る

高校選びでは、入学後にどこから学び直せるかを見る
不登校を経験し、学習に不安がある場合は、「今の学力で入学できるか」だけでなく、「入学後にどこから学び直せるか」を見て高校を選ぶことが大切です。
中学校の内容に苦手が残っていても、基礎を整理しながら高校の学びへ進める環境であれば、自分の進路を考えるための土台をつくれます。
学校説明会などでは、「勉強についていけますか」と尋ねるだけでなく、学び直しの授業や教材、学力に応じた学習の進め方について具体的に質問してみましょう。回答を比べることで、自分に合う学習環境を考えやすくなります。
- 苦手な単元や学力を整理する機会があるか
- 中学校の内容から復習できる授業や教材があるか
- 学力に応じた授業の進め方があるか
- 基礎を固めた後の進学や将来の選択肢も考えられるか
クラーク国際横浜キャンパスで行う、現在地からの学び直し
クラーク国際横浜キャンパスでは、基礎力チェックテストを活用し、苦手なポイントを整理しています。自分がどこでつまずいているのかを知ることは、学び直しの内容を考える第一歩になります。
学力に応じた5段階の習熟度別授業を行っていることも、学び直しを支える取り組みの一つです。講義動画「ウイングネット」や復習テキスト「ファーストステップ」を用い、学習内容を繰り返し見直すことができます。
総合進学コースでは、「中学校からの学びなおし」を掲げ、選択授業として基礎力英語・基礎力数学を設けています。中学校までの学習内容を整理しながら、高校での学びにつなげていきます。
また、総合進学コースでは、2・3年生を対象に、予備校講師によるオンライン大学受験対策講座を選択できます。基礎に戻ることと、その先の進路を考えることは別の方向ではありません。自分の現在地から学びを積み重ねながら、将来の選択肢を考えていきます。
- 基礎力チェックテストを活用して苦手なポイントを整理する
- 5段階の習熟度別授業で学力に応じた学習に取り組む
- 講義動画や復習テキストを用いて学習内容を見直す
- 基礎力英語・基礎力数学で中学校の内容から学び直す
- 2・3年生ではオンライン大学受験対策講座を選択できる
学習の不安は、学校説明会で学び方から整理してみませんか
高校選びでは、学校案内だけでは分かりにくい学び方や授業の進め方もあります。学習の遅れが気になる場合は、学校説明会で学び直しに関する授業や教材について聞き、自分に合う環境かどうかを考えてみてください。
クラーク国際横浜キャンパスの学校説明会では、学校での学びや学校生活について知る機会を設けています。進路を急いで決めるためではなく、次の一歩を考える材料を集める場としてご活用ください。
- 中学校の内容から学び直せる授業があるか
- 自分の学力に合った授業をどのように選ぶのか
- 復習教材や講義動画をどのように活用するのか
- 基礎を学び直した後、どのような進路を考えられるのか
よくある質問(FAQ)
Q:学校説明会では、学び直しについて何を聞けばよいですか?
A:「中学校の内容から復習できる授業はありますか」「苦手な単元はどのように整理しますか」「授業のレベルはどのように分かれていますか」など、学び方を具体的に質問してみましょう。入学後の学習をイメージしやすくなります。
Q:通信制高校なら、勉強が苦手でも学び直せますか?
A:通信制高校の学習方法やサポートは学校ごとに異なります。中学校内容の復習、授業の進め方、教材、質問できる機会などを比べ、自分が取り組みを続けやすい環境かどうかを考えることが大切です。
Q:学習の遅れ以外にも不安がある場合はどうすればよいですか?
A:不登校の経緯、生活リズム、入試、学費、転入・編入など、一人ひとり状況は異なります。学校選びで個別に整理したいことがある場合は、個別相談で現在の状況や気になる点をお聞かせください。