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クラーク記念国際高等学校 熊本キャンパスが「い業」の持続的な発展を目指し、い業三部会合同会議でプレゼンを実施。

い草工業組合、八代市役所と教育連携。子ども世代の「い草」への認知向上に挑戦

広域通信制高校のクラーク記念国際高等学校 (本校:北海道深川市、校長:吉田洋一)は、地域課題の解決を目指した探究学習を実施しています。「い草」と「畳」の持続可能な発展へ向けた課題解決を目的に、同校の熊本キャンパスでは、い草工業組合と八代市役所と昨年5月から教育連携しています。その学習の集大成として、3月10日に行われた「い業三部会合同会議」で、総合進学コースの生徒3名がプレゼンテーションを行いました。

プレゼンテーションの様子プレゼンテーションの様子
【概要】
本校では「“好き”を“得意”に」発展させ、個性を際立たせ成長を目指す教育を開校当初より行っています。様々な分野において多くのプロフェッショナルや企業と連携し、社会性の高い実践的な授業展開を図ってまいりました。

今回授業を実施した熊本キャンパスでは、生徒自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的した、探究学習を実施しています。様々な企業や地域と連携し、問題解決に向けて情報を収集や分析、意見交換や協働する授業を展開しています。今回のプロジェクトは、この探究学習プログラムの一つとして実施されました。

プレゼンテーションの様子プレゼンテーションの様子
【今回の探究学習について】
熊本県は日本一の国産「い草」の収穫量を誇りますが、生活様式の変化や中国産の安価な「い草」が市場に出回ったことで、国内全体の需要量は年々減っています。

本授業では、国内の「い草」需要量の減少に課題を設定し、高校生の目線で解決方法を探究していくプロジェクト型学習を行いました。この学習プログラムは、全10回の授業で構成されています。

熊本県産「い草」の認知度を上げることを、ゴールに設定。「い草」の良さをどのようにPRし、生産を持続可能なものにしていくのかを、高校生の目線でアクションプランを考えました。

生徒たちは、い草農家の実態や畳業者の現状を工業組合の方々からリサーチ、ディスカッションすることからスタート。調湿効果・消臭効果・空気除去効果がある「い草」の良さを改めて認識。子ども世代からの認知向上を目的に、「い草」の紙芝居を制作しました。紙芝居の紙は「い草」の和紙を使用、フレームは「畳表」で制作。今後は、幼稚園や図書館で「読みき聞かせ」のワークショップを行う予定です。子どもへはもちろん、子育て世代の大人への認知向上も目指します。

畳工業組合副理事長、渕上畳店渕上様から、い草和紙や畳のヒアリング畳工業組合副理事長、渕上畳店渕上様から、い草和紙や畳のヒアリング
【本プログラムの目的】
熊本キャンパスの教育目標は、「自調自考」の育成です。「新しい価値の創造」をテーマに企画力を養い、「主体的に解決する力」、「自ら未来を切り拓く力」を身につけることを目的としています。

い草の和紙を使用。ストーリー・イラストは生徒オリジナルい草の和紙を使用。ストーリー・イラストは生徒オリジナル
【紙芝居について】
題名:いぐたろうのぼうけん
制作:クラーク記念国際高等学校 熊本キャンパス 総合進学コース 2年 田尻さん、田邊さん、松下さん

ストーリー:
「い草」の「いぐたろう」は、仲間探しの冒険中です。その道中で、様々なお花さんに出会います。

はじめに出会ったチューリップさんは、いぐたろうの落ち着く匂いがするのは何故かを問います。いぐたろうは、「みんなの心を落ち着かせて、みんなが寝るのをお手伝いすることができる匂いなんだ」と答えます。

次に出会ったパンジーさんは、いぐたろうが涼しそうなのは何故かを問います。「熱を通しにくくて、寒い時には冷たい空気からみんなを守るお手伝いができるんだよ」と答えます。

最後に、畳くんに出会います。

いぐたとろうは、自分が大人になったら畳になることを知り、この冒険の目的であった仲間に出会えたことを喜びます。しかし畳くんは近頃、木の床が多くなり、自分の役わりが少なくなったことに悩んでいます。

「僕たちは、他に何になれるのだろうか」。いぐたろうも、悩みます。

いぐたろうは、畳くんから「い草」は食べることも可能だと教えてもらいます。含まれる食物繊維で、腸に溜まった老廃物を出すこともできると、自分自身の「良さ」に改めて気づきます。

「いぐたろう」は、自分たちの「良さ」をもっと知ってもらうことを畳くんに誓いました。

そして、いぐたろうは今よりも成長して良い畳になるために、出会ったお花たちに自分の良さを伝えながら、産まれた田んぼに戻っていきました。

プレゼンテーションの様子プレゼンテーションの様子
【生産者の村上さん(イグサックとしてSNSで活動)からの言葉】
発表に感銘を受けて、嬉しく思いました。ストーリーも理解しやすく、子供たちに伝わると感じました。もっと生産者である自分たちも「い草」を発信していこうと、刺激を受けました。若い高校生の着目で活動・発信をしていただけると、生産者も「よし頑張ろう!」と思えるので、ぜひ頑張ってください。

【プログラムに参加したクラーク生の言葉】
■総合進学コース 2年 松下さん
熊本県産「い草」と、向き合えることができた。知る機会を持つと、「い草」の魅力と奥深さをに気づくことができました。生産者とわたしたちのニーズの違いを感じ、売り出し方を合わせていくことが難しく感じることもあリました。しかし授業を通して、表面上だけ姿だけではなく、物事の本質や裏側を見れる広い視野を身につけることができました。

■総合進学コース 2年 田邊さん
畳に以外に使用用途がないと思っていた、「い草」の見方が変わりました。今回の授業で、新しい商品を考えることの難しさを知りました。しかし先生や組合の方から励まされたので、難しさをのり超えることができました。また、人と会話することによって、世の中の様々な商品ができているのだと分かりました。

■総合進学コース 2年 田尻さん
どのような工程で作っているのか、どのような効能があるのかを理解できたことで、「い草」を広めたいと思いました。私は、ストーリーの担当で、小さい子どもに理解してもらえるように考えました。この学習で自分が学んだことを、次のクラーク国際の1年生に伝えていきたいと思います。

【い業三部会合同会議について】
い業三部会合同会議では、一般社団法人熊本県い業経営安定基金協会、熊本県い業生産販売振興協会、全国い生産団体連合会やJAやつしろい業センター、全日畳事業協同組合、全国い製品卸商業団体連合会など、い業に関わる組合が、い業情勢報告や意見交換、勉強会を行う会議となります。

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